核攻撃を主目的として開発された機体。コードネームの「サイサリス」はホオズキの学名で、花言葉は「偽り」。
開発は第2研究事業部が担当し、基本的に公国系の技術をベースに造られている。最初期の設計案(型式番号:RX-78GP02)によれば、本機はいわゆるドム系の重MSとされ、強固な装甲と強力な火力を備え敵陣深く進行して拠点を要撃するという「強襲・攻撃型MS」であった。MS同士の格闘戦の実効性に懐疑的な連邦首脳部は、当初から試作1号機より本機を本命視しており、さらなる重武装を求められる。さまざまな武装のバリエーションが検討・提案されるが、当然の帰結として核装備の可能性が検討される。
宇宙世紀においても「最強の兵器」は「核」であり、その破壊力と戦略上のインパクトはほかの兵器の追随を許さない。「最強のMS」を目標とする本計画において、本機は「最強の機動兵器」であるMSに「最強の破壊兵器」である核を搭載しており、戦後の優位性を維持するために造られた「徒花」であるともいわれる。南極条約が締結される以前の一年戦争緒戦でも、ザクII C型が核弾頭のバズーカを使用しているが、戦術核並みの威力しかない。
本機に搭載されるMk.82弾頭は議会の予算において戦術核として申請・登録されているものの、実際には戦略核の数倍の威力をもつものである。ただし、弾頭の到達半径が短いことから自機も爆心地にいることになるため、すべての装甲に耐熱・耐衝撃処理がほどこされる。表面には3層のコーティングがほどこされ、揮発することにより熱線の30パーセント以上を遮断、宇宙空間では1,000メートル、地上でも3,000キロメートルの距離でMk.82の爆発に耐えうる。
基本フレームは試作1号機と共通のものを採用しているが、外観はまったく異なる装甲ユニットを使用している。公国系と連邦系のMS技術が融合した本機の斬新な設計思想は、リック・ディアスに代表されるのちのグリプス戦役期のMS群に多大な影響を与えている。塗装は試作1号機と同様のトリコロールだが、全体にくすんだ色調となっている。
1号機に先んじて0083年9月18日にロールアウト。アルビオンによって1号機とともに地上試験および戦術核発射テストのためトリントン基地に運ばれる。
トリントン基地に到着した10月13日の夜に核弾頭が装填され、その直後にデラーズ・フリートのアナベル・ガトー少佐によって核攻撃に必要なラジエーター・シールドともども強奪される。翌14日深夜にコムサイIIに搭載され脱出を図るが、追撃隊の試作1号機にコムサイIIのコックピットを破壊され、離陸直後に大破炎上する。しかし、本機はラジエーター・シールドといった耐熱装備のおかげで無事であった。予定を変更し、早朝にユーコン級潜水艦 "U-801" と合流してアフリカ大陸に渡る。