テンカワ・アキト専用機。漆黒のボディに悪魔や恐竜を想起させる禍々しい外見をしているが、その正体は増加装甲を纏ったエステバリス・アキト機である。
開発にはエステバリスを開発したネルガル重工が関わっているが、ネルガル側では本機や搭乗して破壊工作を行っているアキトとの関係を徹底的に否定している。
本機の開発は全てがあらかじめ設計されていた物ではなく、幾多の戦闘を経て損傷と現地改造を重ねて無理矢理性能を向上させた形によるもので、改造に使用されたパーツは、既製品を利用したハンドメイドの物やネルガルで開発された試験機の部品も使用されている。 その結果、ブラックサレナの外見はエステバリスの改造機である事が判別出来ないまでに変容していき、コンセプトもまた、本来のエステバリスからは完全に設計思想が反する邪道な物となっている。
また、本機の改造に使用された部品を以前に利用していたと思われる、ネルガル重工で開発された「装甲強化型エステバリス」もまた、外見だけでなく、武装にハンドガンを一丁装備し、高機動の活動時における母艦からの重力波照射が追い付かないのに対応してジェネレーターが外付けされている等、ブラックサレナと共通している部分が幾つかあったのだが、やはり一部の技術者からは「エステバリスの設計思想に反する物」として強い反発を受けていたとされている。
基本的に母艦から離れて単独で行動し一対多での戦闘を想定した結果、重装甲、高機動の両立を実現した機体ではあるが、その分武装は両腕部に一丁ずつ装備したハンドガンのみと非常に少ない。ただし、ディストーションフィールドを纏った状態での質量を生かした超高速での突撃は、強大な破壊力を発揮する。
両肩部分のアーマーには高出力のノズルが内蔵され、脚部のアーマーその物が高出力のスラスターになっており、これらと重力波放射器との組み合わせによって、鈍重そうな外見からは想像もつかない程の機動力や運動性を獲得するに至っているが、代償として機体に相当な負荷が掛かってしまう為、増加装甲には機体の剛性を高める為の役目も兼ねている。
ウイングバインダーによる長時間の単独飛行だけでなく、脚部のスラスターによるホバー走行も可能であるのだが、歩行による移動は不可能となっている。
尻尾状のテールバインダーはマジックハンドになっており、先端にはアンカークローを有している。
ちなみに実は背部の装甲がかなり薄く、アーマーを装着しているエステバリス・アキト機の重力波アンテナが飛び出している。
このような仕様の為に、機動力と推進力、装甲はズバ抜けているのだが、肝心の火力が通常のエステバリス以下と非常に低い。徹底的に対北辰衆に特化した機体である為、大軍が相手だと素の状態では不利となっている。
ブラックサレナの基本フレームにはCC(チューリップクリスタル)が使用され、搭乗者のアキトもA級ジャンパーである為に、やろうと思えば高機動ユニットを用いずともブラックサレナ単体でのボソンジャンプも可能なのだが、フレームへの影響が懸念される事から、あくまで緊急用とされている。劇中冒頭のシラヒメ襲撃後にブラックサレナの単独でジャンプを行っている。