本作品の主人公。パイロット科2年。学籍番号「LP041」。母プロスペラが経営するシン・セー社の推薦を受け、ペビ・コロンボ23から編入してきた17歳の少女。身長は約170cmで学園の女子生徒の中では長身な方である。幼少期からエアリアルを駆って危険な任務や作業をこなしてきたため、若くして高度な操縦技術を習得している。
物心つく前に母とともに水星に移住し、同年代の子どもがいない環境下で成長したため、内向的でコミュニケーション下手な性格。下級生にも敬語を使うほどつつましいが、困難や理不尽に対しては母の言葉である「逃げればひとつ、進めば二つ」[注 5]の信念をもって立ち向う姿勢を見せ、出会った人々にも大きな影響を与えていく。一方でプロスペラを「優しい魔法使い」と称して強く慕っており、ときに不審や迷いを抱こうとも、「母の言うことは絶対正しい」と思考停止し従おうとする。
学園編入後は水星を「誰も死なない豊かな星にする」という夢のため、故郷で廃れた学校を設立するという目標を掲げるとともに、一学生としても「彼氏とデートする」「友だちをあだ名で呼ぶ」などの実現したいことをまとめた「やりたいことリスト」を作成する。しかし編入早々にミオリネを侮辱したグエルとの決闘に勝利したことでホルダー兼ミオリネの花婿候補に選ばれ、データストーム逆流がないエアリアルに注目したベネリット内の暗闘に巻き込まれていく。校内でもスペーシアンの生徒たちから「水星女」とけなされ精神的に追い込まれるが、不器用ながらも親身なミオリネや同じ差別を受けるアーシアンの学生たちに支えられ、地球寮に迎え入れられる。その後は、ホルダーの称号とエアリアルをめぐる学園内の決闘や、「フォルドの夜明け」との生死をかけた実戦を乗り越えていく。プラント・クエタ事件では、プロスペラに唆される形でエアリアルに乗り、ミオリネとデリングに襲いかかったフォルド兵を直接エアリアルで圧殺。ミオリネからの非難とランブルリング事件でのソフィの暴挙を受けて、人を殺すことの重さを自覚し、プロスペラに従うだけの自身への疑念を深めていく。
その正体は、エアリアルの生体コードと化したエリクトの遺伝子から作られたリプリチャイルドのひとりで、パイロットとしてエアリアルのパーメットスコアを上げるために、唯一肉体を与えられた存在であることがエリクトとプロスペラから明かされる。クワイエット・ゼロ計画を進めるプロスペラを危惧したミオリネや、普通の学園生活を願う母たちから決別を告げられ消沈するが、クイン・ハーバーでの母の凶行がエリクトの本意ではないことに気づき、自分の意志でキャリバーンに搭乗し、エリクトのエアリアルと戦いながら説得を試みる。