ザク・デザートタイプらと同様に『劇場版 機動戦士ガンダム アニメグラフブック』が初出で、のちに『MSV』に取り入れられた。アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムUC』にも登場し、後者ではカトキによるリファイン設定画が描かれた(『08小隊』版は後述)。
当初は公国軍地上部隊の作戦時において、より機動性の高い対空防御の手段として考案される。初期案では単にJ型に対空砲(対空機関砲)をオプション装備するというもので、重量バランスなどの問題から進展を見ていない。その後入った連邦軍MS(ガンキャノン)の情報から、順延されていた計画は中途変更を経て対MS戦における支援に変更される。すでにドム系の量産が開始されている時期であるにもかかわらずザクIIがベースとされるが、これは生産コストやインターフェイス、および蓄積されたノウハウなどを考慮したものとされる。
中距離支援用への改修に際して全体的な設計変更が加えられており、機体の全部位がJ型と異なっている。右肩にランドセルと一体化した180ミリキャノン砲を装備。モノアイは全周式に改修され、頭頂部にサブ・カメラと短距離通信アンテナを装備する。アンテナは通常は1本だが形状の異なる2本の機体もあり、「ラビットタイプ」と呼ばれる。口吻部のダクトには、開発中の機体のものが流用され、のちのゲルググキャノンに近い構造となっている。脚部にはグフのノウハウを活かした補助推進器が装備され、機動力をおぎなっている。また、照準システムとのリンケージのため、コックピット全面のパネルと動力パイプの配置が変更されている。コックピット・ハッチは右胸部に移設されている。J型のランドセルに換装することも可能であり、これによる標準兵装状態でのテストもおこなわれ、脚部推進器によって機動性は好成績を残している。
計画変更後ほどなくして、MS-06J-12として製作された試作1号機がキャリフォルニアベースでロールアウト。しかし、重量バランスの問題が解決できぬまま[75]量産は却下されて19機の試作に留まり、全機が北米で実戦参加したとされる(異説あり、後述)。当初は北米中部もしくはアジア西部でのテストを予定してデザート・カラーで塗装されるが、地域変更によりグレー系の標準塗装に塗り直される。森林帯用にはダーク・グリーンに塗装されているほか、量産化検討用の機体には通常のザクIIと同様の塗装がほどこされている。
なお北米だけでなく、東南アジアへの配備も確認されているほか(後述)、アフリカ戦線でも運用されたとする資料がいくつかある。オーストラリア大陸でも、キャリートン採掘所やヒューエンデン要塞に数機が配備されていたといわれる。一年戦争終結後、一部の機体は連邦軍に接収され、多くがスクラップにされるが、整備状況が良好ないくつかの機体は再戦力化されている。