ジム・キャノンは、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型機動兵器「モビルスーツ (MS)」のひとつ。初出は、メカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション (MSV)』。
作中の軍事勢力のひとつである地球連邦軍の量産機。『機動戦士ガンダム』に登場するジムをベースとして、中距離砲撃用MSガンキャノンの能力を付与した機体。背中に搭載された砲塔と、通常のジムよりも強化された下半身の装甲が特徴。
一年戦争時、ガンキャノンの量産型という位置づけで開発された。その名称と外観からジムのバリエーションと位置づけられることが多いが、ガンキャノンの量産化プランはガンダムの量産化(ジム)と最初から別に進行しており、その延長線上にあるのが本機である。本来はガンキャノンの設計に若干の手直しを加える程度で量産する予定だったが、戦時下の状況を考慮し、先行していたジムの生産ラインを流用する形で設計を変更して試行錯誤を重ね、簡易量産型ともいえる形態となった。ジムとの部品共有度は60%で、切り欠きの入った右肩部にガンキャノンと同じ口径の高初速型ロケット砲1門を、脚部に左右分割方式の増加装甲をそれぞれ取り付けることにより、地上戦での安定性を保っている。
終戦までにジャブロー工廠にて48機(58機とする資料もある)が生産され、全機が実戦参加しているという。その内訳はティアンムおよびレビル宇宙艦隊へは14機、北米戦線へは6機、アフリカ戦線には19機配備、9機はジャブロー防衛用に残されたと記録されている。それ以外にも、オーストラリア戦線で3機が確認されている。機動部隊に随伴して中距離支援を役割とすることで、MSパイロットとしての練度が低い元戦車兵などでも比較的運用しやすく、物量戦に適した機体となっている。
一年戦争中の特筆すべき戦果としては、北米方面に配備された機体がある。反攻作戦開始後から約1か月後に投入された本機はノーマルタイプのジムとの混成部隊を成し、キャリフォルニアベースを奪還した。この北米方面配備機は冬季迷彩を施した姿が知られているが、これはキャリフォルニアベース奪還後から終戦まで使用されたパターンである。また、アフリカ戦線における多くの機体はサンドカラーに塗装されていたが、その中でも「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐の乗機として、他機とは異なる黒いパーソナルカラーの機体も知られている。だが、ウォルフが本格的なMSパイロットとして頭角を著すのは、この機体からRX-77Dに乗り継いだ後である。一方、宇宙軍ではソーラ・レイによるレビル艦隊の壊滅で多数の機体が失われたこともあり、地上ほどの特筆すべき目立った活躍は見込めなかったが、宇宙軍第二連合艦隊所属の「不死身の第四小隊」に配備された機体などは知られている。