機動歩兵的な兵器に端を発したMSは恐竜的に進化し、その過程で単機ですべて解決できるような能力・汎用性を実現しようとしたため、性能に比例するかのように機体のサイズが大きくなっていった。
黎明期のMSの平均全高は17-18メートル程度であったが、その後は世代を重ねるにつれて22-25メートル前後、さらには30メートルを超える機体も珍しくなくなっていた。しかし、大型化に伴って整備施設の規模も大がかりなものとなり、シャアの反乱以降の非戦時下の平和な時代では、設備の維持に莫大な予算がかかる状態となってしまっていた。このまま進化を続ければ予算が逼迫することは明白であり、その流れを是正するため、連邦政府は宇宙世紀0102年に外郭団体であるサナリィに解決策を要求した。その結果、サナリィで提案されたのは設備規模縮小のためにMSのサイズを見直し、原点に立ち返る意味も込めてMSが生まれた当初の平均全高をさらに下回るサイズに統一するという、「MS小型化計画」であった。
開発はアナハイム・エレクトロニクス(AE社)に委託されたが、同社は小型MSの開発に消極的であった。同社はこれまで大型化するMSの艦船・設備の建造などで巨額の利潤を得ており、また、同社としては第4世代MSに続く第5世代のMS開発に興味が向いていたため、即座に受け入れようとはしなかった。さらに、当時はマフティー動乱など小規模な反地球連邦運動はあったものの、大がかりな武力衝突は沈静化して連邦軍の主力MSは従来のジェガンタイプの改装で十分だったという事情もあり[6]、小型MSの開発を鈍化させる一因となっていた。このような背景もあり、連邦軍の発注から実に5年もの歳月をかけ、ようやく完成したのが本機であった。
本機は新世代の小型MSを目指して開発されたものの設計は保守的で、ジェガンをほぼそのままに小型化した機体といってもよい。そのため、ジム系の新鋭機ともいわれ、熱核反応炉もプロトタイプザク以来の基本理論の旧来式のものを採用(サナリィが小型高出力反応炉を開発するのは後年)、ジェガンと同型のジェネレーターを流用するなど基本性能は大差ないが、軽量かつ高剛性の新素材フレームを採用したことにより、出力に余裕が生じたことで機動性や運動性は向上している。設計にはガンダムタイプのコンセプトを取り入れているといわれており、特筆すべき点としてはRGM系量産機には珍しくガンダリウム合金が装甲材に採用されたことが挙げられる。また、コックピットはF71 Gキャノンと共通で、操縦方式はジェガンシリーズに搭載されていたアームレイカータイプからスティックタイプに戻されている。しかし、のちの機体で必要不可欠な装備となるビーム・シールドなどの新技術は搭載されていない。