アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する「シャア専用ザク」に、『センチュリー』で設定が付与されたもの。型式番号は同書発行の直前に公開された劇場版第1作のパンフで "MS-06(S)" または "MS-06s" と表記されたのが初出である。「シャア専用ザク (II)」「ザクII(シャア・アズナブル専用機)」のほかに名称は、「指揮官用ザク」「指揮官型ザクII」があり、単に「ザクII」とも呼ばれる。ただし、本機に限らずF型やF2型、FZ型などにブレード・アンテナを装備した機体も「指揮官機」とされるため、本項では括弧書きで型式番号に由来する「S型」を付与して区別する。
中隊長クラスの優秀なパイロットの要請に応じて開発されたタイプ。当初はC型を発展させた高機動型(R型)を開発・生産する予定であったが、開戦前の時点では改良箇所が多く生産効率が悪いため見送られ、替わって開発される。「R型の設計思想にもとづいた機体をF型の設備で生産する」という、先行試作型とも呼べる機体であり、機動性向上のための技術開発の実戦投入試験機としての側面をもつ。
『ガンダム』劇中での活躍は上記の通り。カラーリングは「赤」とされるが、厳密にはサーモン・ピンクとあずき色を基調とする。
OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』に収録された映像特典「宇宙世紀余話 パイロット編1 シャア・アズナブル」では、ルウム戦役での活躍が語られる。短時間で5隻の戦艦を沈めた攻撃は「シャアの5艘跳び」と呼ばれ、機体色から「赤い彗星」の異名を取ることとなる。また、スラスターの噴射と同時に艦体を蹴ることで通常の3倍のスピードを出したとされる。なお、『センチュリー』では3倍のスピードはおもにシャアの技量によるものとされている。また、受領した機体は前述の「初期タイプ」であるとする説もある。開発に携わったエリオット・レム少佐が直接受け渡しに出向き、特に念入りな調整をほどこし、操作法をレクチャーしたといわれ、公国軍のプロパガンダとしても喧伝されている。
機体各部に "A12" と記されているのが確認できる場合もあるが、これは機体番号ではなく「部隊番号」とされる。